Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

賊は空を睨んだまま、さもくやしげに怒鳴りつづける。

「俺は人の物を盗むけれど、貴様の様に持主の留守を窺い、こっそりと盗む様な卑怯な真似はしない。昼日中堂々と押しかけて、相手の鉄砲がわしを狙っているその前で、物を盗む。力ずくの戦いだ。盗むのではない。力ずくで奪うのだ。サア、けちな盗人奴、ここへ来い。貴様に言い聞かせることがある」

流石名を売った賊程あって、云うことが大きく、芝居がかりだ。併し、わしはそれどころではない。愈々運の尽きだと、震え上ってしまった。

賊は誰も返事をせぬものだから、癇癪を起して、又怒鳴りつけた。

「コレ、そこに隠れている奴。取って食おうとは云わぬ。貴様の好きな俺の女房からことづけがあるのだ。サア、ここへ出て来い。山田、ビクビクしないで、ここへ来い」

オヤ変だぞ、わしを山田という手下と間違えているのかしらんと思いながら、ふとかたわらを見ると、わしから二三人向うに、支那服を着た日本人らしい男が立っている。その男がいやな笑いを浮べて、ソロソロと朱凌谿に近づいて行くではないか。

さてはこの男が山田という日本人で、賊に呼びかけられていたのかと、わしはホッと安堵の胸をなでおろした。