Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate

Aozora Bunko

――云わばそう云うことによって、政府の役人である彼は自分の立場を否定することになっていた。

「ほう――」

阿賀妻はあらぬ方を見てそう云った。組みあわした手では彼の拇指がいどみ合った。虚々実々のたたかいをはじめていた。

「こうなったからには、わが北海道は自分で武装しなきゃなりませんよ、阿賀妻さん、それを云いたくてわざわざお引き止めしたようなわけです、どんどん連れて来てくれませんか、土地はいくらでもある」

「ご尤も」

「捨てるほどある」

「そうそう、それに就いて」と阿賀妻は云った、彼の待ち伏せしていたところまで話はついに移って来た。むっくり頭をもちあげて、襲いかかるように「即ち――」と彼は声を強めて云った、「過日お願いしておきました第二次移民の資金を貸下げの件」

「ああ、あの話か」

「左様、あの話――失念なさる貴殿でもあるまいが」

「念のためと云われるのですな、わかっています、近日拙者東京に出るつもり、従って、すべて長官に面談した上で、必ず、――」

「必ず――と、云うて下さるか?」と阿賀妻はさえぎった。

もはや彼の拇指は挑みあってはいなかった。

「さよう――かならず」と堀も気色ばんだ。