Classici giapponesi con furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate
八
役人は退いてそれを見おろした。
「ど、どさんぴん野郎、ほ、仏の扱い方も知らねえのか――」
門田は二三歩後にさがった。そして、丁度はいって来た松岡に背中をぶっつけた。
「どうした?」
そう云われて門田はそっとわきに寄った。
「だ、だれのために死んだんでえ、――ほ、仏を、こ、こんなとこに、投りこみやがって、な、なにが、身ども、だ」
松岡長吉はその男を見下して舌なめずりをはじめた。
八
すでに彼らの意志はきまっていた。方向を定めてここまでやって来た彼らは、これからの道も知っていた。安らかな道ではない。――彼らの腕と肩でおし拡げて行く道である。
触れて来るあるものは撥じきとばした。考えられる最大の苦しみにぶっつかって、そのとき躊躇する不純なもののあることが怖しいのだ。おのれの心の底をのぞいて誰が純粋であると断じられよう。だから彼らの父祖は、その弱さを掻き立てるものを殊更免除した。そして、愚かなほどつまらぬことでさえ、最後の日の障害になると思えば慈悲もなく切りすてた。――これが彼らの生き方であったのだ。
やがてここに見える新たな四十何人かと、その家族の前に、先に来ている彼らは、一糸みだれぬ心を見せなければならぬ。