Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate

Aozora Bunko

その男はかんな屑の上にながくなった。泳ぐように両腕を投げだし、胴体をよじ曲げていた。ふいの打撲で申し分なくへばってしまった。

――もちろんそれらはあッと思う間に起きた出来事であった。誰か二三人とびだして行ったらしかったが、それさえ気にならぬほど茫然として了ったのだ。彼らはそれを取り囲んだまま表情もなく見おろしていた。のびたものがうめきだしたときにはペッと唾をはいた。

「おい門田――」と松岡はその人々のなかに親しい朋輩を呼んで云った、「あとを片づけて引き取って貰ってくれんか、自分はこの、腰のぬけた棟梁を送りとどけて来る」

「一人でか?」

「ああ一人で――一人で――ちゃんと引き受けておりますから」

彼は腕をのばして倒れた男のえんびを引き起した。よろける奴を邪慳にこづきまわした。このとき、度胆をぬいてくれた松岡は慥かに一歩機先を制していたのだ。もはや相手は彼の云うなりであった。叱咤して歩かせた。にじむように昏れだした宵やみのなかに酔漢はふらつき、数歩のうちにばったり倒れた。

「起きろ、おやじ――」と松岡はそのものの腕をつかまえた。

肩にぐったり凭れかかって、もしもこのまま硬ばったとしても、そのものが彼らに加えた侮辱にくらべたなら、その酬いはまだ軽すぎるというものだ、――松岡はそう思った。