Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate
阿賀妻は手をあげて話を抑えた。
「お茶を一ぱい頂きたい」
「これは恐縮いたしました」
「町を一まわり致してみたく存ずるので」
彼はそう云って腰を浮していた。外の空気を吸いたいと思う気持であった。枯れて行く建築材の臭気と、埃ッぽい風が隙間から降っていた。戸外の空気に触れたいのは、何か混乱するものを感じていたからだ。親しみ易げな印象を得た堀大主典の応接に、うっかり寛いで、その一瞬の気ゆるみに、ついと足をさらわれたような心のよろめきを感じた。話の長びくのも気になって来た。はい、左様か――と、それで引きあげられない立場でもあった。考えを整理するために空の青さを仰ぎたいのであった。
午後の陽は散らばっていた。行きわたり兼ねるような広い空は、晴れてはいるが青くは見えないのである。吹きまじる風が陽のかげをうすめるのだ。仔細に見れば、町というには名ばかりであるが、家々が、木目の白さを競っていた。しかし、官宅の堂々さに比して、東西に画る火防線を界にした南の町地には、昔のままの草葺小屋も雑居していた。果して永住の地となるかどうか、人々の気持はまだきまっていなかった。官庁のおこぼれを拾って跟いて歩く一連の人民たちであった。