Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate

Aozora Bunko

そう来るだろうと予定していたように、その役人はがばッと立ちあがった。

「イシカリまでお供しましょう」

ふいと阿賀妻は相手の顔を見直した。別にかわったことも無かった。にも拘らず彼はのそのそ身支度をした。くそ落ちつきに落ちついて、ばか丁寧に荷ごしらえをしていた。

その間、根気よく、堀は玄関で馬を乗りまわしていた。改った身支度もせず、彼にとっては役所の延長のような気軽さであった。持ち前で眉根をしかめていた。漠然と横目を流した掴みどころのない表情で、癇の立った馬の背に乗ってぐるぐる廻っていた。やっと阿賀妻が出て来たとき、彼は馬上から、使丁に口を取られた他の一頭を示して叫んだ。

「お乗り下さい」

「さりながら――これは」と、草鞋ばきの男は躊躇した。

「他意ありません」

「それでは――」と、阿賀妻は手綱を取った。馬の首を揃えながら彼は聞いた。

「イシカリは急用でござるか?」

「なに、明日、税庫の建築につき、商人どもの工事請負に入札をいたす、本日はその敷地を検分しておくため、――何分とも商人ども増長いたし、困難いたす、しかし、阿賀妻さん」

そう云って馬を近づけられると、阿賀妻は手綱をしゃくって避けるようにした。