Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Leggi 私本太平記(四) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.324 caratteri · 458 schermate

Aozora Bunko

いくら親分だって、そいつはちと」

「二の足か」

「滅茶ですよ、何ぼ何でも」

「いやおれには方寸がある。権三、てめえはまだびくついているな」

「だって」

「じゃあ打明けてやろう。さっき、てめえから預かった水ノ手の調べが、正成へ近づくいい口実のタネになる。もしあれが寄手の名越殿へ渡れば、千早城はおそかれ早かれ落城だ。……だからそれを手土産に正成をよろこばせ、隙をみて寝首を掻くんだ」

「そ、そんなことで、寝首をかかれる大将でもねえでしょう。それに、こち徒のような人間に、油断するはずもねえ」

「おいおい、権三。てめえは俺をまだいぜんの放免頭と思い違いしてやしねえか。おれの名は六波羅放免組からは、とうに消えているんだぞ」

「それやあ知ってますよ」

「そしてだ。三年が間も、おとなしく加賀田の山荘に仕えてきたんだ。――だからこの大蔵はすッかり改心した人間とおもわれて、楠木兄弟にも深く信用されているんだよ」

「へえ?」

「こんど、吉野から帰って来たのも、加賀田の隠者へ、報告かたがた、千早のうちへも、べつな一ト役をおびているんだ。――その上によ、寄手に渡る水ノ手の秘図を、以前の仲間の者から手に入れましたと、正成へ届けてやってみろ。