Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 226.715 caratteri · 431 schermate

Aozora Bunko

に引き戻すにはこいさんを奥さんに持たして上げるより外に方法はない、この問題はもう今から十年前、あの新聞の事件以来の懸案で、お家さんや母屋の旦那はあの当時不承知であったし、私も不賛成を唱えた一人だったけれども、今から思うと、あれはやっぱり許して上げた方がよかったのだ、そうしたら若旦那だって脱線なさらず、今頃は幸福な家庭を持って真面目に働いていたであろう、と、そう云うのであった。そして、母屋の旦那はどう云う訳かこいさんと云うものを余程悪く取っているので、今でも若旦那がこいさんと結婚することを喜びはしないであろうが、どうせ勘当の身の上なのだから、そんなことに遠慮しないで、構わず結婚してしまったら、そういつ迄も反対し切れるものではないし、却って新しい道が開けるであろう、と云い、今では実際の難関は、母屋の意志よりも寧ろこいさんの方にある、なぜなら、私の見るところでは、今日のこいさんはすっかり心変りしていて、最早や若旦那と結婚する気がないらしいからである、と云うのであった。

こう云うと又こいさんを批難するように聞えるかも知れないが、そんなつもりではないのだからと、婆やは何度も言訳しながら言葉を継いで、蒔岡さんのお宅では若旦那をどう云う風に思っておられるか、―――それはまあ、世間知らずの坊々であるから、欠点を拾えばいろいろ