Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 226.715 caratteri · 431 schermate
それから数日後のことであったが、幸子と雪子は元町の街頭で偶然井谷に行き遇って、思いがけない話を聞かされて帰って来た。と云うのは、近々井谷は美容院を人に譲り、自分は最新式の美容術を研究するため第二回目の渡米をする。井谷の友人の中には、今は世界的動乱の最中でもあり、亜米利加と日本との間にも事が起りそうな懸念があるから、もう少し時機を待ったらどうか、と云ってくれる人もあるけれども、いつ迄待ったらその懸念がなくなると云うものでもないし、仮りに事が起るとしても、今直ぐではなさそうであるから、その前に大急ぎで行って来る。昨今は旅行免状もなかなか貰えないそうだけれども、自分は特別の便宜があってその方の手配も済んでいる。期間は大体半年乃至一年の予定である。そんな短い期間なら折角の店を何も譲って行かないでものことであるが、実は自分は、年来東京へ進出することを念願としていたので、これを機会に神戸の地を去り、帰朝後は東京で開業するつもりである。と云うのであった。この話は幸子たちも全然初耳なのではなく、長い間中風を患っていた井谷の夫が去年亡くなった時にも、そんな計画があることを聞いたような気はするのであるが、既に亡夫の一周忌も済んだ今日、いよいよそれを実行に移す決心をしたのであろう。