Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate
雪子は黙って項垂れたまま、裸体にされた日本人形のように両腕をだらりと側面に沿うて垂らして、寝台の下にころがっていた悦子の玩具の、フートボール用の大きなゴム毬に素足を載せながら、時々足の蹠が熱くなると毬を廻して別な所を蹈んでいた。
「こいさんは?」
「こいさんは仕事の都合もあるやろさかい、今直ぐとは云わんけど、きっと後から引き揚げて来ないかん云うのんが、兄さんの意見やそうな」
「………」
「叔母ちゃんは、そこはあんじょう云うてはるけど、結局あたしが雪子ちゃんを引き留めると見て、あたしを説き付けに来てはるねんわ。そやよってに、気の毒やけど、あたしの立ち場も考えて貰わんと、………」
幸子は雪子を可哀そうに思う一方に、ややともすると自分が雪子を家庭教師代りにしていると云う批難があるのに、反抗する気分も強かった。本家の姉が大勢の子供をどうにか手一つで育てて行っているのに、分家の妹はたった一人の女の児の面倒をさえ見られないで、人手を借りている、と云う風に世間が取っているとすれば、―――雪子までが幾らかそんな風に思い、多少でも恩に着せる気持がもしあるとすれば、―――彼女は自分の内部にある母としての誇が傷つけられるように感じた。