Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate
十
あたしかて見合いするのんは嫌やないねん。………そのつどあの人等に、又今度もあかなんだのかいな思われるのんが辛いさかい………」
急に雪子の声が鼻にかかって、涙が一滴鏡の面に影を曳きながら落ちた。
「そない云うけど、今迄かて先方から断られたのんは一つもあれへんねんで。―――なあ、雪子ちゃん知ってるやろ、いつも見合いの後で先方は是非に云うてくれはるねんけど、此方が気に入らんのんで、壊れてたんやないか」
「けど、あの人等はそない思うてくれへんもん。今度もあかなんだ云うたら、あの人等きっと、又断られた思うやろうし、思わんまでもそんな噂云い触らすにきまったあるさかい………そやさかい………」
「もうええ、ええ。その話止めといて。―――私等が悪かったよってに、これからきっとそないするわ。顔が壊れてしまうやないか」
幸子は寄って行って顔を直してやろうと思ったが、今直ぐでは一層涙を誘い出しそうな懸念があるので差控えた。
十
離れの書斎に逃げ込んでいた貞之助は、四時が過ぎてもまだ女達の支度が済まないらしいので、そろそろ時間を気にしていたが、ふと、前栽の八つ手の葉の乾いた上にパサリと物の落ちる音がしたので、机に凭ったなり手を伸ばして眼の前の障子を開けて見ると、ついさっきまで晴れていた空がしぐれて来て、かすかな雨の脚が軒先にすいすいと疎らな線