Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate
と、幸子もそれを手に取って見ながら、
「これ、大事に直しといて、来月お花見に穿きなさいや」
「ふん。いろいろ有難う、姉ちゃん」
「何や、悦子のお待ち兼ねはお土産の方やったんか」
「さあ、もうええやろ、これみんな二階へ持って行きなさい」
「今夜は姉ちゃんと一緒やで」
「分ってる、分ってる」
と、幸子が云った。
「姉ちゃん今からお風呂やさかい、先へ行ってお春どんと寝てなさい」
「早う来てね、姉ちゃん、―――」
雪子が風呂から上ったのは十二時近くであったが、それからひとしきり、貞之助と三人の姉妹とは応接間の煖炉にぱちぱちはねる薪の音を聞きながら、久しぶりに顔を揃えてチーズと白葡萄酒の小卓を囲んだ。
「温いわなあ、此方は。―――さっき蘆屋の駅へ下りた時にやっぱり東京と違うなあ思うたわ」
「もう関西はお水取が始まってるさかいにな」
「そない違うか知らん」
「えらい違いやわ。第一空気の肌触りが、こない柔かいことあれへん。何せ名物のからッ風がひどうて、―――二三日前にも、高嶋屋へ買い物に行って、帰りに外濠線の通りへ出たら、さっと風が吹いて来て持ってる包吹き飛ばしてしもうて、それ追いかけて取ろうとすると、ころころと何処迄でも転こんで行くよってに、なかなか取られへんねん。