Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Leggi 耽溺 (たんでき) di 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.597 caratteri · 110 schermate

Aozora Bunko

しかし、その時はまだその時で、一層奮励の筆をもって、補いをつけることが出来ると、覚悟した。

すると、また、心の奥から、国府津に送る金はどうすると尋問し出す。これが最もさし迫った任務である。しかし、それもまた、僕には、残忍なほど明確な決心があった。

それがために、しかしわが家ながら、他家のごとく窮屈に思われ、夏の夜をうちわ使う音さえ遠慮がちに、近ごろにない寂しい徹宵の後に、やッと、待ち設けた眠りを貪った。

二一

子供の起きるのは早い。翌朝、僕が顔を洗うころには、もう、飯を済ましていた。

「お帰りなさい」とも、何とも言わないで、軽蔑の様子が見えるようだ。口やかましいその母が、のぼせ返って、僕の不始末をしゃべるのをそばで聴いていたのだろうと思われた。

僕が食膳に向うと、子供はそばへ来て、つッ立ったまま、姉の方が、

「学校は、もう、来月から始まるのよ」と言う。吉弥を今月中にという事件が忘れられない。弟の方はまた、

「お父さん、いちじくを取っておくれ」と言う。

いちじくと言われたので、僕はまた国府津の二階住いを冷かされたように胸に堪えた。

「まだもう少し食べられないよ」