Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

知的な光と、情熱的な光とが、同居している、張りのある眸、「金魚」と綽名された大きな眼玉に、はるか遠くを夢みているような、緊迫したいろがただよっている。

――政治。

――政治家。

安五郎が、みずからの青春を傾けつくした一生の方角が、このときに、決定したのかも知れない。前から、政治や経済には興味を持っていたが、その下地に、多感な青年の正義感が、仕上げをしたのである。

(政治家になろう。そして、政治が悪漢どもの手によって、壟断される罪悪を、一掃したい)

安五郎の胸は、希望に燃えはじめていた。その安五郎の眼に、さきほど見た、玉井金五郎の面影が、はっきりと、印象づけられているのであった。

紺の幔幕の外を、「ドテラ婆さん」が、千鳥足で、通りすぎた。両腕を架しているお京と染奴とを、交互にふりかえりながら、

「芸者衆、見たかい? 玉井金五郎、惚れるなら、あんな男に惚れなさい。おれが若かったら、入れあげる。じゃが、馬鹿な喧嘩をしたもんじゃ。相手が悪い。金五郎どん、角助を待たんで、二三日うちに、江崎満吉から殺されるわい。太鼓判を押しとく」

島村ギンの予言したとおりであった。