Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
「追い返したんじゃ」
「どうして?」
「用がすんだからよ」
投げだすように、そういって、金五郎は、また、ごろりと、縁に転がった。放棄的な表情で、眼をつぶったが、急になにかを思いついたように、すぐに、くるりと、起きなおった。かたわらにある日本刀を二本、鷲づかみにして、立ちあがった。
「どこに、行きなさるの?」
「ちょっと、永田の親方のところに、行って来る」
裏口で、高下駄をつっかけていると、俊次が、ラムネを四五本、懐に入れて、帰って来た。客はもう帰った、お前たちが飲め、と、いい残して、金五郎は、番傘をさして出た。
雨に煙る黄昏の町を抜け二町とは離れていない永田の家に行った。
聯合組を番下げされた永田杢次は、貰った退職金で、ラムネ製造業を始めたのである。もともと懲罰的処分を受けたのであったけれども、情に厚い大庭春吉は、金五郎と話しあい、永田がメカケのサクと別れることを条件に、ラムネ屋を始めるだけの資金を都合してくれた。永田はそれを機会に、若松へ移住した。そして、同じ新仲町の、玉井組と眼と鼻の先で開業したのは、なるべく近くにいて、旧親方の面倒をみたいという、金五郎の希望にもとづいているのであった。