Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
「居ります」
「鍵は、誰が掛けたとかい?」
「姐さんが掛けました」
「馬鹿にしとる」
金五郎にしてみれば、若干の秘密があったにしたところで、女の誘惑を蹴とばして、帰って来たのである。お京へ心を惹かれた点は、マンにすまぬ、と思うけれども、最後の線では、マンへ貞節を通している。女房から、感謝されてもよい、と、考える。といって、別に褒められたい気持もないのだが、締めだされたりすると、
(おれのような亭主が、どこにあるか?)
そんな反撥心が、湧いて来るのだった。
請負師仲間では、女道楽、女郎買い、芸者買い、メカケ狂い、二号、三号、四号、の設置、等は、日常茶飯事となっている。女を多く作るだけ、甲斐性のようにも、いわれる。まして、「据え膳食わぬは、男の恥」、女の方から持ちかけられて、白旗をかかげる者は、笑い者になるほどだった。
それでも、金五郎は、そんな通俗に流れまいと考えて、これまでもやって来たし、今夜とて、美しい桃色の虎口を脱して来たわけである。それだけに、締めだされたことが、奇妙に、腹が立った。酒の酔いも、手つだっていた。
「時やん、もう、寝れ」
そういって、大川時次郎を、二階に追いあげておいてから、寝室に、殺到した。