Classici giapponesi con furigana
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めばえ
芽生
宮本 百合子
Leggi 芽生 (めばえ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 40.924 caratteri · 81 schermate
何かしらと思ってあともどりをして見ると、蟇口を忘れたんだった。「のんきな奴だ!」と云ってしまった。しばらく歩いて見たが電車にがたがたゆすぶられるのもと思ってお師匠さんのところへ行ってしまった。
「マア、随分この頃はお見限りでしたネ、貴方のこったからって云ってたんですけれ共」
いきなりこんな事をあびせかけられた。稽古台はからっぽで縁側に三つ四つ友禅の帯が見えて居る。一番はじっこに居る娘のえり足が大変にきれいだ。お師匠さんにうたわしてひかして自分はだまって遠くから見て居ると、自分が手をもって教えてもらった人の様には思えない。一寸絵になりそうな様子の女だとこないだっから思ってる。
金のいやにデコデコした指環のある手で器用にひきこなして居るのを見ると、若い時の事がフッと思われる。新橋の何とかと云う妓だったってきいた事があるが、今の年でこの位なら若い時にはキットさわがれて居たんだろうと思う。四人の娘達がかくれてばっかり居ていくらよんでも出て来ないんでいやな気持になったからプイと出て浅草の仲店に行って見る気になって電車にのる。沢山のって来る女の中でマアと思う様なのは一人もいやしない。