Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

「それならがまんしましょう」

「おえろうございますわね」

とおくさんが力をつけた。

「むかしの武士は痛くてもけっして痛いと申しません。そこが大和魂です。若様は大和魂がおありでしょう?」

と柳田さんは一生懸命だ。歯科は上手だが、ごきげんとりは得意でない。

「あります」

「ほんのちょっとのごしんぼうです。日本人は大和魂がありますから、みんな平気です」

「僕もありますよ。種痘を痛いなんていったことはありません」

「実は種痘よりもすこし痛いかもしれません」

「いやだ。ずるいんですもの」

と照彦様はまた立ちそうになった。

「若様の大和魂はすこしおよわいようですから、ご遠慮申しあげたんです」

「ばかにしちゃいけませんよ。痛くはないけれど、ガリガリいうのが頭にひびくんです」

「今日はもうガリガリはほとんどありますまい。神経を取る時ちょっと痛いんです。くらげにさされたぐらいのものです」

「うそばかり」

「蟹にはさまれたぐらいです」

「オホホホホ。動物づくしね。大丈夫でございますわ。武士どころか若殿様ですもの、痛いなんておっしゃるものですか」

とおくさんは口車に乗せようとつとめた。

「いいません。