Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

試験の成績

それもあったが、至誠は人を動かす、正三君の真剣さに感じたのである。正三君がまたうまくかじをとる。

「内藤君、ここはどうだろう? 出るだろうか?」

「きっと出ます」

「それじゃもう一ぺんやる」

と照彦様はおさらいをしなおす。全くの試験勉強だ。

「内藤君、この例題はどうだろう?」

「きっと出ます」

「よし。このへんはできるんだけれど、もう一ぺんやっておく」

と念を入れる。

「内藤君、僕はここがよくわからない。入院して休んだところだ」

「そこは大事ですよ」

「出るかしら?」

「きっと出ます」

「それじゃ黒須先生にやりなおしてもらおう」

「ご自分でおやりになって、わからないところだけおききになる方がよろしいです」

「しかし初めから皆やってもらう方が早い」

「その一番は出そうな問題です。出たと思って二人でやってみましょう」

「よし」

「これが二十五点です」

と正三君は点数のにおいをかがせる。照彦様は華族様でなに不自由のない身分だけれど、点数だけはびんぼうだ。各科総平均六十に足らない。

「できた。できたよ、きみ」

「拝見。二十五点」

「しめしめ」

「つぎも二十五点の問題です。きっと出ますよ、これも」