Classici giapponesi con furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate
「わかりました」
と快く頷いた。
「鯛買うてみやげのうそや汐干狩り。せめて鯛をお描きください」
「はあ」
「下司下郎のまねをいたすのが教育ではございません」
「はあ」
「照常様も照彦様もよくよくご身分をお考えください。西洋人のまねをして山登りやスキーをなされずとも、日本には剣道柔道がございます。私たちはこれで体力を養い精神を練ってまいりました。今晩のお肝試しは日本アルプス以上の効験がございますぞ」
と戒めて、安斉先生は立っていった。
若様がたはしばらく黙っていたが、照正様がまず、
「つまらん」
と呟いた。
「叱られてしまいました」
と照常様もがっかりしていた。
「先生はこの頃のことがちっともおわかりにならないから困る」
「お兄様はもっとおっしゃるとよかったんです」
「いや、議論をすれば切腹する。とても仕方ない人だ」
と照正様は恨めしそうに油絵の鰊を見上げた。
「内藤君、お庭へゆこう」
と照彦様がさそった。
「はあ」
と正三君も退屈していたところだからすぐにお供をした。
「きみ、どうする?」
「なんですか?」
「お肝試しの会さ」
「僕はバットを持ってゆきます」
「僕はおトンカチを持ってゆく。