Classici giapponesi con furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate
「おトンカチをおとしてきた」
「黙っていて明日の朝拾ってくればいいです。僕も実はバットがありません。大入道がくしゃみをした時、はなしてしまったんです」
と正三君もあわてていた。
有本さん黒須さん矢島さんと妙に先生の番が続いて、そのつぎが照正様だった。杉山が待っているから怖くない。坂道へかかった時、
「杉山」
と小声で呼んでみた。
「ワーウウウ」
と杉山はすぐ側の薮の中から答えた。
「ああ、びっくりした。こんなところにいるのかい?」
「はあ。上の方は怖くていけません」
「今度は安斉先生だ。うまくやってくれ」
と照正様はうちあわせをした。型のごとく姓名をしたためて、帰り道にまた、
「杉山」
「はあ」
「もっと上の方へいっていろよ」
「はあ」
「寒いだろう?」
「かぜをひいたようです。しかしおもしろいです。くしゃみをしたら、黒須先生がひっくりかえりました」
といいながら、杉山はまたくしゃみをした。
つぎに安斉先生があらわれた。杉山は帰りに後ろからとびかかるつもりだった。あわててつまずいたところを、
「先生、杉山です」
と呵々大笑してやる。まさかおこりもしまいと考えていた。安斉先生は社頭に着いてから大分手間をとった。