Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

さあ、どうぞこちらへ」

「…………」

「さあ。さあさあ」

と安斉先生はしきりに請じる。二人は仕方なしに上がりこんだ。

先生から改まって鄭重なご挨拶があった。続いておくさんが出てきて、

「これはこれは、若様と内藤様、旧年中は……」

とすこぶる長かった。二人は中途で幾度も頭を上げてみて、また下げた。

「さあ、若様」

と安斉先生は照彦様だけに座ぶとんをすすめた。ご自分も畳の上にいるかわり、正三君には沙汰がない。君臣の分のかたい人だ。

「おくつろぎください」

「はあ」

「お正月ですから、お小言は申しあげませんぞ」

「はあ」

「なにかおもしろいお話をいたしましょうか?」

「はあ」

「一日の計は朝にあり。一年の計は元日にあり」

と諺が出た時照彦様は、

「先生」と呼んだ。

「なんでございますか?」

「先生は新年会のお福引きをお考えになりましたか?」

「考えましたよ。苦心惨憺です」

と安斉先生はなにか軽い話題のほしい折りから、ちょうどいいことにして、

「若様はいかがでございましたか?」と膝をすすめた。

「僕も考えたんですが、お兄様に申しあげたら、落第でした」

「どういうご趣向でございました?」

「さあ。