Classici giapponesi con furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate
「あれはお兄様のことじゃありません」
「うそをつけ」
「照常、いいかげんにしなさい。安斉先生にきこえる」
と照正様がたしなめた。
「はなしてください」
と照彦様は身をもがいた。
「いいつけるから放さん」
「いいつけません」
「それならよろしい」
と照常様はようやく安心した。
正三君は初めて他人の中でもまれたような気がした。昼間頭を叩かれて夜首をしめられた。その前に照彦様とのいきさつがあったから、この日は妙に事件が輻輳したのである。家へ帰ったのはその次の土曜日だったから、ことに感慨が深かった。
「正三や、大きくなったよ、おまえは」
「正ちゃん、いつまでも帰らなかったのね。おやしきはどんな風?」
とお母さんやお姉さん達がよろこび迎えたことはいうまでもない。皆でしばらくとりまいていた。その中にお父さんや兄さんがもどってきて、「どうだ? 正三、おやしきは?」
とまたきくので、正三君は同じことを幾度も答えなければならなかった。
「おやしきではお殿様や奥様とご一緒にいただくんですってね?」
とお母さんは夕ご飯の時もおやしきの話でもちきった。
「晩だけですよ」
「ご一緒の食卓に坐るんですってね?」