Classici giapponesi con furigana
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Leggi 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.224 caratteri · 269 schermate
二
単調な蝉の歌。とぎれとぎれの風鈴の音――自分はまだ何処へも行こうという心持にはならずにいる。
二
モオパッサンの短篇小説 Les S※(リガチャOE小文字)urs Rondoli(ロンドリ姉妹)の初めに旅行の不愉快な事が書いてある。
「……転地ほど無益なものはない。汽車で明す夜といえば動揺する睡眠に身体も頭も散々な目に逢う。動いて行く箱の中で腰の痛さに目が覚める。皮膚が垢だらけになったような気がする。いろいろな塵が髪と眼の中へ飛込む。すうすう風の這入って来る食堂車でまずい食事をする。それらは私にいわせると旅行と称する娯楽の嫌悪すべき序開である。
先この急行列車の序開があった後には旅館の淋しさ。人が一ぱいいながら如何にもがらんとした広い旅館。見も知らぬ気味悪い部屋、怪気な寝床の淋しさが続いて来る。私には何がさて置き自分の寝床ほど大切なものはない。寝床は人生の神聖なる殿堂である。人は生活を赤裸々にして羽毛蒲団の暖さと敷布の真白きが中に疲れたる肉を活気付けまた安息させねばならぬ。
恋愛と睡眠の時間。われわれが生存の最も楽しい時間を知るのは寝床である。寝床は神聖だ。