Classici giapponesi con furigana
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Leggi 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.224 caratteri · 269 schermate
日和下駄
序
第一 日和下駄
序
東京市中散歩の記事を集めて『日和下駄』と題す。そのいはれ本文のはじめに述べ置きたれば改めてここには言はず。『日和下駄』は大正三年夏のはじめころよりおよそ一歳あまり、月々雑誌『三田文学』に連載したりしを、この度米刃堂主人のもとめにより改竄して一巻とはなせしなり。ここにかく起稿の年月を明にしたるはこの書板成りて世に出づる頃には、篇中記する所の市内の勝景にして、既に破壊せられて跡方もなきところ尠からざらん事を思へばなり。見ずや木造の今戸橋は蚤くも変じて鉄の釣橋となり、江戸川の岸はせめんとにかためられて再び露草の花を見ず。桜田御門外また芝赤羽橋向の閑地には土木の工事今まさに興らんとするにあらずや。昨日の淵今日の瀬となる夢の世の形見を伝へて、拙きこの小著、幸に後の日のかたり草の種ともならばなれかし。
乙卯の年晩秋
荷風小史
第一 日和下駄
人並はずれて丈が高い上にわたしはいつも日和下駄をはき蝙蝠傘を持って歩く。いかに好く晴れた日でも日和下駄に蝙蝠傘でなければ安心がならぬ。これは年中湿気の多い東京の天気に対して全然信用を置かぬからである。変りやすいは男心に秋の空、それにお上の御政事とばかり極ったものではない。