Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
中洲のお京さん、一雪である。
糸七は、蟇と踞み、
南瓜の葉がくれ、
尾花を透かして、
蜻蛉の目で。
三十四
――この破屋へ、ついぞない、何しに来たろう――
来やがったろう、と言いたくらいだ。そりの合わない……というのも行き過ぎか、合うにも合わないにも妙齢の女なんぞ影も見せたことのない処へ何しに来たろう。――ああ、そうか。矢野(弦光)の、通俗、首ったけな惚れかたを、台町の先生に直ぐ取次いだところ、「好かろう。」と笑いながらの声が掛った。先生の一言だ、「好かろう。」は引受けたと同然だから、いずれ嬉しい返事を、と弦光も待つうちに、さあ……梅雨ごろだったか、降っていた。持崩した身は、雨にたたかれた藁のようになって、どこかの溝へ引掛り、くさり抜いた、しょびたれで、昼間は見っともなくて長屋居廻へ顔も出せない。日が暮れて晩く帰ると、牛込の料理屋から、俥夫が持って駈けつけたという、先生の手紙があって、「弦光座にあり、待つ」とおっしゃる。……飛びたいにも、駈けたいにも、俥賃なぞあるんじゃない、天保銭の翼も持たぬ。破傘の尻端折、下駄をつまんだ素跣足が、茗荷谷を真黒に、切支丹坂下から第六天をまっしぐら。