Classici giapponesi con furigana
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ちょうのえ
蝶の絵
久生 十蘭
Leggi 蝶の絵 (ちょうのえ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.644 caratteri · 49 schermate
二
やはり昂奮しているのだとみえ、無口な山川が、いつになく、つくづくと念頭の考えを洩し、疲れたといって、一人で先に帰った。
二
東京裁判が最終論告の段階に入り、横浜裁判と平行して、俘虜部門の弁論がはじまったころ、厚木の早朝ゴルフの帰り、思いついて山川のところへ寄ると、妹の慧子が出てきて、
「兄は、いま、おつとめなんです」
と笑いながらいった。そういえば日曜日で、山川で家庭礼拝のある日だった。
広縁で煙草を喫いながら待っていると、柴垣のむこうで、姉の常子が植木屋と話している声がきこえる。
「池まわりも、荒したままじゃ置けませんから、いずれ、お入れになるのならと思いまして……低いつくりものですと、てっせん、うずら梅、あせび、どうだん、山茶花といったようなもの。汀石の控えに、うってつけな、赤斑の霧島なんかもございますが」
「花はどうかしら……みな、抜かせてしまったくらいだから、いってはみますが、無駄でしょう」
死んだ山川の父は、「百花村」の秋公のような花好きで、池の汀に紫※(「くさかんむり/宛」、第3水準1-90-92)を植え、中門の楯に紫※(「くさかんむり/宛」