Classici giapponesi con furigana
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こうじん
行人
Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate
だから何か御恩返しをしなくっちゃすまないと平生から思ってるんです。お貞さんの問題もつまりそれが動機でしたんですよ。けっして他意はないんですからね」
お貞さんは宅の厄介ものだから、一日も早くどこかへ嫁に世話をするというのが彼の主意であった。自分は家族の一人として岡田の好意を謝すべき地位にあった。
「お宅じゃ早くお貞さんを片づけたいんでしょう」
自分の父も母も実際そうなのである。けれどもこの時自分の眼にはお貞さんと佐野という縁故も何もない二人がいっしょにかつ離れ離れに映じた。
「旨く行くでしょうか」
「そりゃ行くだろうじゃありませんか。僕とお兼を見たって解るでしょう。結婚してからまだ一度も大喧嘩をした事なんかありゃしませんぜ」
「あなた方は特別だけれども……」
「なにどこの夫婦だって、大概似たものでさあ」
岡田と自分はそれでこの話を切り上げた。
十二
三沢の便りははたして次の日の午後になっても来なかった。気の短い自分にはこんなズボラを待ってやるのが腹立しく感ぜられた、強いてもこれから一人で立とうと決心した。
「まあもう一日二日はよろしいじゃございませんか」