Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

にせもの

贋物

葛西 善蔵

Leggi 贋物 (にせもの) di 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.476 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

といったような帳面を拵えてつけておいた。

ある晩酒を飲みながら老父は耕吉に向って、

「俺はこうしてまあできるだけお前には尽しているつもりだが、よその親たちのことを考えてみろ、そんなもんではないぜ。これがもし世間に知れてみなさい、俺のことをいい親ばかだと言うに極まっている。……いったいお前は今度帰る時、もし俺たちがてんでかまいつけないとしたら、東京へ引返して働くのは厭だと言うし、まあいったい妻子供をどうするつもりだったのか?」

と索るような眼をして言った。で耕吉はつい東京で空想していた最後の計画というのを話した。

「私はその時は詮方がありませんから、妻を伴れて諸国巡礼に出ようと思ってたんです。私のようなものではしょせん世間で働いてみたってだめですし、その苦しみにも堪ええないのです。もっとも妻がいっしょに行く行かないということは、妻の自由ですが……」

「乞食をしてか、……が子供はどうするつもりか?」

「子供らは欲しいという人にくれてしまいます」

「フーム……」老父は黙ってしまった。

数日後、耕吉はひどく尻ごみする自分を鞭打して、一時間ばかし汽車に乗って、細君の実家へお詫びに出かけた。