Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.548 caratteri · 47 schermate
「約束は知ってると云いました、けれども証文があるわけではないし、十九年も只で住んで来た、親の代のことはおれは知らないから、そんな反故のような約束を守るわけにはいかねえって、突っぱねました」
登は渋い顔をした、「それはむずかしい、むずかしい話だと思うな」
「それは、あいつの云うことにも理屈はあるでしょう、けれども、松次郎があっしたちを追い立てるのは、金に困ったとかどうしたとかいうわけじゃあねえ、ちゃんとこんたんがあるんです」と角三が云った、「――ってえのは、藪下一帯の家を取払って、そこへ新地をつくり、料理茶屋とか岡場所を集めようというもので、護国寺の役僧も承知しているようなんです」
ありそうなことだ、と登は思った。宗教と花街はふしぎに付いてまわる、浅草寺、根津権現、赤坂の氷川神社、芝の神明、ちょっと数えただけでも、これらの周辺には花街がある。護国寺は元禄年間の建立で、幕府から千三百石の寺領を付けられている。ひところ、なにがしとかいう将軍家の未亡人が熱心に帰依したと伝えられるが、場所が寂しいのと寺歴が新らしいのとで、それほど繁昌はしていなかった。しぜん寺僧たちの中で、近くに新地などができたら、などと思う者もあるに相違ない。