Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.548 caratteri · 47 schermate
三
んですけれど」
「よく云った、だがやつらは信じやあしない、信じやあしなかったろう」
「だと思うけれど、帰らなければもっとひどいことになるわ」
「威したのか」
「帰らなければあんたがやった証拠だし、長屋じゅうの共謀だって云うの」おたねは唾をのんだ、「長屋じゅうの者を訴えるって云ってるのよ」
「よし、おらあ長屋へ帰る」
「まあ待て」と去定が遮った、「しだいによっては相談に乗ろう、これはいったいどういうことなんだ」
「どうかなんにも訊かないで下さい」と角三が云った、「これ以上ご迷惑をかけたくはありませんから」
「迷惑か迷惑でないかはおれがきめる、とにかく話すだけ話してみろ」
「あんた」とおたねが云った。
角三は横へ寝返ろうとしたが、「う」といって顔ぜんたいを歪め、苦痛をこらえるために下唇を噛んだ。そこへ、森半太夫が来て、入所患者の診察をする時刻だと告げた。
「よし」と去定は頷き、立ちながら登に云った、「おまえ話を聞いておいてくれ」
三
音羽五丁目の、藪下と呼ばれるその長屋は、三棟で二十四戸あり、二十一家族が住んでいた。家主は牛込神楽坂の、高田屋松次郎という。先代は与七といって、ずっと以前にはその音羽の五丁目で、小さな質屋を営んでいた。