Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.548 caratteri · 47 schermate
だ」
井戸の中はひっそりとして、なんの音も聞えず、長次の声の反響するのが、あたりの静かさを際立てるようであった。
「だがおめえは助かった」と長次は続けていた、「親御さんがどんなによろこんだかわかるだろう、この恩は子孫の代まで忘れないと云って、長屋三棟、二十四戸の店賃を、おめえの代まで只にする、という約定ができたんだ、但し、旦那はこのことをないしょにしてくれと云った、おめえは四歳で、少し経てば忘れるだろう、こんないやな事があったということは、二度とおめえに知らせたくない、決して店賃の代りというわけではないが、どうかこの約束だけは守ってくれ。――親の慈悲だぜ、そう思わねえか高田屋、――長屋の者は約束を守った、そのために今日までどうして無賃で貸されたのかわからなかったんだ」
長次はそこで、角三の家の仏壇から、総代連署の書き物が出たことを語った。
「これでわかったろう」と長次は云った、「おめえは先代の約定を反故にしようという、おれたちがこれからは店賃を払う、と云ったがきかなかった、それならこっちもこっちだ、おめえは十九年まえそこで死にかかっていた、現におめえのいるその場所だ、そこが、見せると云った証拠の場所なんだ、わかったか」