Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかごうしくろうえもん

赤格子九郎右衛門

国枝 史郎

Leggi 赤格子九郎右衛門 (あかごうしくろうえもん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.484 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

即ち、抜身を持っているが為めに、刀気走って身を隠すことが出来ず、闇討の憂目に逢うのです。

私は、そうやって戸の面へ、ピッタリ体を食付けたまま静かに暗中を隙かして見ました。

果然、相手の居所が、抜身を握って居たが為に、自と私に解って参りました。私の立っている戸口から、斜めに当たる室の隅に、刀気が仄かに白々と走っているではござりませぬか。

「よし。勝利は此方のものだ!」私は思わず心の中で斯う呟いたものでした。

そうして本当に其決闘は私の勝に帰しました。――ハッと私が気息を弛める。そこを狙って突いて来た。と直ぐ除けて入身になる。一髪の間に束を廻わし、「カーッ」と一声掛けると同時に胴切にしたのでござります。

ばったり床へ仆れる音。ムーと呻く苦しそうな声。そして静かになりました。

「しまった」と、其時、思わず私は、大声を上げて了いました。深手を負わせるという約束に背いて時の逸みとは云い乍ら、切り殺したように思われたからです。

扉が開かれ、松火が点され、神々しい威厳を体に持たせた二人の男女を中にして、覆面の水夫達数十人が、室の中へ這入って参りました時、松火の光に照らされて、一人の大男が血に染みながら床の上に斃れて居りますのを、私は明瞭り認めましたが、それこそ決闘の相手でした。