Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
そのことは弟が芸術家として生きるということについて、一層懐疑的にしたのでした。当時私はうかつでした。それほどの影響だと思いませんでした。――念のために申し添えますが、この点について私と弟との考えは必しも同じではありません。随分考えましたが私が間違っているとは思えません。こういう細かしいことは、いずれまたお目にかかれます折に。私は一所懸命元気であろうとして居ります。彼の良心を思えば、私は最善の生きかたをしずに居られません。
――四月と云えば、日本で多数の共産主義者が検挙された四・一六事件のことであった。伸子はパリでちょっと、そのことをきいた。日本の新聞は、事件から七ヵ月も経った十一月二十日すぎに記事解禁になって、伸子は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰って来てから、きのう素子の本棚の下から引き出した新聞でよんだ。
蕗子の弟は、伸子たちがモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来てから後、上京して、姉と暮しながら研究所へ通って洋画の勉強をしていた模様だ。蕗子は、伸子を共通な悲しみの先輩として語っている。しかし、蕗子の切なさは、伸子の経験よりも深い独特なものだと考えられた。