Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate

Aozora Bunko

「返事をやりますか?」

伸子がそうきいた。

「もちろんやりますとも。――この手紙は我々のところから婦人部へまわします。残念なことにロシアにはまだ、なぐる夫や親たちが少なからずいるんです。子供たちも加わって、なぐられる習慣のある子供たちを保護する団体をつくりました。誰からそのことをききましたか?」

こういう話しぶりの間に、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)では伸子がめぐり合うことのなかったゆるやかさでスモーリヌィでの時が経過した。迅すぎない時間の流れのなかに、伸子は変化しつつあるソヴェトの人々の感情の、横姿やうしろ姿までを見まもるゆとりを与えられた。

はじめて、スモーリヌィの婦人部へ行ったときのことだった。

二台のタイプライターの音が交互にきこえて来る隣りの室のドアがあいて、一人の瘠せがたの白ブラウスをつけた婦人が出て来た。黒いスカートをはいて背のすらりとしたそのひとの皮膚はうすくて、ヴ・オ・ク・スで会った若い女のひとと一種共通したレーニングラードの知識婦人の雰囲気をもっていた。

そのひとは、伸子たちの問いに答えて婦人部の活動を話してきかせるより先に、伸子たちが共産党とどういう関係をもっているかときいた。