Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
湯の入ったヤカンをさげ、ピオニェールのためにコップとサジとをのせた盆をもって部屋へもどって来ると、ピオニェールは、せまいその部屋の真中あたりにじっと椅子にかけている素子のまわりを、ぐるぐるまわって歩きながら、伸子の茶色い小さなハンド・バッグをあけてなかをのぞき、
「やあ、あなたのまけだ!」
と叫んでいるところだった。
「七ルーブリ、三十五カペイキと、金の時計と、古い芝居の切符とが入ってますよ」
伸子は、変なことをすると思った。
「なにしてるの? なぜわたしのスーモチカ(金入れ)に用があるの」
「あなたのタワーリシチが、この中に入ってるものをあてる番だったんです。三ルーブリぐらい金があるだろうというきりで、あと何が入っているか、全然しらなかったんです。僕が勝ったんだから、これは僕が没収(リクイジーロワーチ)します」
ピオニェールは、その茶色の小型ハンド・バッグを、もったまま、手をうしろへまわした。伸子は、少年の前へずっとよって行って手をさし出した。
「よこしなさい!(ダワイ)」
「…………」
「どうして? よこしなさい! 遊びは遊びよ!」
戻してよこしたハンド・バッグを伸子は、机にしまい、音をたてて引出しをしめた。