Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
云えないおかしみをたたえながら、あっちこっちにぶちまかれているのだった。
三階へのぼる階段口に佇んで、伸子と素子とは、はじめ、何だろうと思ってその光景を眺めた。やがて軽いやきもちをより多くの茶目気であらわしたようないたずらの気分がわかって二人は笑い出した。
「なるほどねえ、これがパリっ子か。わるくないじゃないか」
「三階もこんなかしら」
「さあ、どうだか」
いたずらをした者はこのホテルの三階に泊っているのかもしれなかった。三階の廊下には何のかわったところもなかった。赤い絨毯のしかれた明るい廊下に向って、ドアの前に男の靴は女の靴と並んで、しずまっていた。
伸子たちは七階まで、ゆっくり歩いてのぼった。見ると、伸子の室に隣りあわせたドアの前にも、ゆうべまで見かけたことのない女靴が一足、平凡な男靴とならべて出してあった。深夜の明るい廊下を、ドアごとに出されている男と女の靴をながめながら歩くとき、伸子は、まざまざとそこに人を感じ、丁度抱きあって踊っている組と組との間を単身すりぬけてゆくような感覚だった。
「テラスでちょいと休もうか」
何となし低い声で云って、素子は伸子の室へ一緒に入った。