Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
「どうですね、多計代。伸子がああ云っているが――いるものはありませんか」
それに答えず、ちょっと黙っていた多計代は、
「伸ちゃん、帰るのは、少し待って貰おう」
思いがけなくかたい、命令的な調子だった。
「こっちへ来ておくれ」
そろそろと近よってゆく伸子の顔を、多計代は椅子の上からふり仰ぐように見た。
「伸ちゃん、こんやは一つ、お前からすっかりお父様にお話して貰おうじゃないか。――おおかた伸ちゃんには、みんなわかっているんだろうから」
「わたしにわかっているって――なにが?」
多計代から泰造へと視線をうつしながら、伸子は、あんまり意外でナア、ニ、オ? とひとこと、ひとことひっぱった。
「話しに出ていたのは、和一郎さんのことじゃなかったの?」
「だからさ、あなたから、何でも思っていることをみんなお父様に云って、思うとおりにして頂いたらいいだろう、って云っているんですよ」
「へんだわ、お母様ったら」
単衣の下に骨だって見える母の肩つきや、白粉がむらになっているひきつめ髪の額を眺めて、伸子は悲しい、いやな気になった。
「和一郎さんから話をおききになったのはお母様じゃないの。