Classici giapponesi con furigana
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とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
Leggi 遠野へ (とおのへ) di 水野 葉舟 (みずのようしゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.903 caratteri · 117 schermate
二
その夜は、昼間の疲れと、寒いのに広いガラッとした室に入れられたのとで、風呂に入り、食事をすますと、もう一分もじっとこの室の中に坐って、今日の道のことなどを考える気にもなれなくってすぐ床を敷かせて眠ってしまった。
次の朝、目を覚ますと、床の中から私は手をたたいて人を呼んだ。下で太い打ち切ったような返事をした。はいって来たのは下女で、十能に火を山のように盛ったのを持っている。
自分はからだを起こして、
「お前、この町の中学の先生をしている、吉井っていう人を知ってるか?」と聞くと、下女、
「へ?」と自分の顔を見たが、
「存じません。」と言った。
「じゃ、誰か分る人を呼んでくれ。」と言って自分は起き上った。宿で借りた衣服を着て、手提げの中から、歯を磨く道具を出して、下に顔を洗いに行った。
室に帰ってくると、小さい男が火鉢の前にチャンと坐っている。自分がはいってくるのを見ると、ちょっと頭を下げた。その目つきが先ず自分に反感を起こさせた。赤黒い犬のような顔で眉の太い、二皮の瞼の下から悪ごすく光った目で人をねらうように見る。
自分が火鉢の傍に坐わると、首をひょっと突き出して、