Classici giapponesi con furigana
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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Leggi 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.016 caratteri · 284 schermate
野草雑記・野鳥雑記
記念の言葉
記念の言葉
この二冊の小さな本のように、最初思った通りに出来あがらなかった書物も少ない。私は昭和二年の秋、この喜多見の山野のくぬぎ原に、僅かな庭をもつ書斎を建てて、ここを一茶のいうついの住みかにしようという気になった。あたりはまだ一面の芒尾花で、東西南北には各々二三本の大きな松が見え、風のない日には小鳥の声がある。身の老い心の鎮まって行くとともに、久しく憶い出さなかった少年の日が蘇って来る。私の生れ在所も村であったが、家が街道端でこの辺よりは立て込んでいたために、山に入らぬと色々の鳥は見られない。里にいるのは無数の雀ばかり、鳶と烏の他には空を横ぎるものがなかった。雁も水も時鳥も、すべて歌俳諧と版画とによって知ったのである。これに反して野の草には友だちが多かった。それがこの岡のまわりにも群を成してはいるのだが、幼ない頃に見たのとはどうも様子が少し違う。ということが一段と昔を偲ばしめたのである。
たとえば「雀の毛槍」などは、私等が抽いて弄んだのは、もっと茎が長々として花の総が大きく、絵にある行列のお供の槍とよく似ていた。母子草もこちらのは、餅に入れるほどにもふっくりと伸びず、小さなうちにもう花が咲いてしまうのは風土のためであろう。