Classici giapponesi con furigana
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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Leggi 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.016 caratteri · 284 schermate
四
には見えている。私の生れた瀬戸内海の浜近い村にも、これと同様の遊びはあったが、唱えごとは全くちがっていた。今でも思い出すのは春の青空にあの花をかざして、幼ない子たちが皆一様に、「あーぶら買いに酢う買いに」と言って、あの花の穂をふっと吹いた。蒲公英の種子は細長く下ぶくれで、少しばかり徳利の形に似ていた。あれが空中に飛び散って行く様子を見て、我々は子供が徳利を手に下げて、酢や油を買いに行く姿を思ったのである。そうしてこの遊びもまた弘く行われていたと見えて、対馬の島の浅藻という村でも、やはりタンポポを「酒買い坊」といっている。
四
多くの野の草が稚子を名付親にしていたことを知って、始めてタンポポという言葉の起りが察せられる。タンポポはもと鼓を意味する小児語であった。命名の動機はまさしくあの音の写生にあった。それが第二段に形の鼓と近い草の花に転用せられることになったかと思われる。小野蘭山の『本草綱目啓蒙』に、蒲公英を越中国でツヅミグサというとあり、しかもこの地方でタンポポというのは、花生けその他の竹の筒のことであるのを見ると、やはりあの鼓の音も元はタンポポと聴いたのであった。