Classici giapponesi con furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
それでね、久我と中村はね、いま大久保の射的場にいるんですぜ。……あたしがこの眼で見たんです」
男はもういても立ってもいられない風だった。掴みこわしそうに帽子を握りしめて、
「そうときいたら、こうしちゃいられない……いずれ……」
乾は落ちつきはらって、
「どうするんです。すぐ捕物にかかるんですか。気をおつけなさいよ。二人とも拳銃を持ってますぜ。下手に生捕にしようなどと思ったら、えらい目に逢うよ。なにしろ、あいつは名人だそうだから……」
さすがに苦笑して、
「いや有難う。……よく判ってるよ。とにかく、俺あ、急ぐから、お礼はいずれ……」
その辺の古壺を蹴かえしながら、ひどくあわてたようすで出て行った。乾はチラとそのあとを見送ると、竹箆をとりあげて、ゆっくりと続飯を練りはじめた。
鶴がはいってきた。乾のそばへ並んで掛けると、
「いま出て行ったのは本庁の刑事ね。……なんの用で来たの。……どんな話をしたの」
「べつに大したことじゃない。おれの身元がどうのこうのって……」
眉をよせて、
「なにも話さなかったの、久我のことは」
「金を借りに来たといった。それだけだ」
鶴は乾の袖を掴んでゆすぶりながら、