Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きんろう

金狼

久生 十蘭

Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate

Aozora Bunko

「やっとすみましたよ。……馬鹿な念のいれようだ、下らん。……それはそうと、せっかくの会合だが、古田は来られんでしょう。上衣に血がついてるのが見つかった。……さもあるべきはずさ。見るからに悪相だからねえ、あいつは」

そういうと、唇を歪めて、能面の悪尉のような顔をした。久我の背すじがぞっとした。

返事も出来ないでいると、乾はゆっくり煙草に火をつけながら空嘯くようにして、

「この事件もこれで一段落か、おや、おや。……さりとは呆気なかったね。……あたしは公判がすきで、よく傍聴にゆきますが、刑事事件は面白いですな。……ちょいと関りあって見たいようなのもありますからねえ。……今度のなんざ、いささか関係が濃厚で、大いに楽しんでいたんですが、こう呆気なく幕になっちゃ、仕様がない。……それにつけても、いったい、日本の警察は迂濶ですよ。市民にもっと協力を求めなくちゃいけない。……密告制度を設けて、大いに投書を奨励するようにすれば、現在よりはかならず能率があがるようになりましょう。……

(にやりと笑って)もっとも、最近は、すこしよくなったが……。(と、いって、急に声をひそめると)実はね、古田子之作を密告したのはあたしなんです。