Classici giapponesi con furigana
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きんいろのボタン
金色のボタン
小川 未明
Leggi 金色のボタン (きんいろのボタン) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 3471 caratteri · 8 schermate
「そのご本をかしておあげなさい。」と、お母さんはやさしく、おっしゃいました。
ゆり子ちゃんが、絵本をかしてあげると、支那の子のお父さんが、こちらを向いて頭を下げました。そのうちに、電車が、つぎの駅へ着くと、支那の子は、ご本をゆり子ちゃんに返して、笑って、こちらをふり向きながら降りていきました。
「お母さん、あの子、かわいらしい子ね。」
「ちょうど、正ちゃんくらいですね。」
「あの子のお家はどこなの。」
「さあ、どこでしょう。お母さんにはわかりませんわ。」
ゆり子ちゃんは、ぼんやりと考えていました。
「このご本、あげればよかった。」と、ゆり子ちゃんはいいました。
「見せてあげれば、いいのですよ。」
お母さんは、自分も子供の時分、人なつこかったことを思い出しました。どうかこの子が、いい人間になるようにと、心で祈っていられました。
「おばあさん、しっかりおつかまんなさい。」
黒い洋服を着たおじさんが、腰のまがったおばあさんの降りようとするのをしんせつに世話していました。
「やさしい、いいおじさんだ。」と、ゆり子ちゃんは、思って、目をぱっちりあけて見ました。ゆり子ちゃんは、はっとしたのです。