Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.625 caratteri · 26 schermate
「お、俺じゃあねえ。」
「現場に血が飛んでねえのは死ってる奴を斬った証拠。」
「お、俺じゃねえ。」
「傷が真上に載ってるのも、倒れてる所を切りゃあこそああだ。」
「俺じゃねえってのに!」
「も一つ言って聞かしょうか。八州屋の頸にあの麻糸屑が残ってた。しかも、お前、三州宝蔵寺の捕繩麻だっ!」
「――じゃ、ど、どこを通って逃げたってえんだ? あ、足形が一つもねえじゃねえか!」
「溝!」
「わあっ!」
と叫んで走り出した味噌松、折柄帰って来た彦兵衛にぶつかれば、両方がひっくりかえる。跳び上った松、彦に足を取られて、た、た、た、た、と鷺踏びのまま機みと居合いとで逆手に抜いた九寸五分。すかさず下から彦が払う。獲物は――と言いたいが拾って来たらしい水だらけの傘一本。
「勘!」
藤吉が呶鳴った。
「おう。」
と飛んで出た御家人崩れの勘弁勘次、苦もなく利腕取ってむんずと伏せる。味噌松は赤ん坊のような泣声を揚げた。彦兵衛は起き上って、
「親分、これ。」
と傘を出す。
「どうだった?」と藤吉。
「へえ、ありやした。たしかにあった。あれじゃあいくら浚えてもかからねえはずだて。」
「水ん中の船底にぴったり貼りついてたろう、どうだ?」