Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
店先を借りて、潮時を待ちたいから」
「お銀の家なら、ツイそこですよ。それ、店先に水を打っている」
「あれがエテ物か――なるほど白い手拭を姉さん冠りにして、小股のきれ上がった良い年増だね――八、声を掛けて見ろ、拍手を二つ三つ打っても宜い」
「お狐様と間違えちゃいけません」
ムダをいうのが聴えたか、振り返ると手拭を取って、
「あら、八五郎親分、いらっしゃい」
こうにっこりするのです。ひどく鼻声で、笠守稲荷が近いだけに気になりますが、それがまた恐ろしく魅惑的でもあります。
毛の多い丸髷、眉を剃った跡が真珠を塗ったように濃いのも、紅い唇から黒瑪瑙のような歯が漏れるのも、いいようもない色っぽさです。
「少し店先を借りるよ。なアに、座布団にも及ぶものか、日蔭で一と息入れて、待つ人があるんだ」
平次は椽台を引寄せるように、薄汚れたござの上に腰をおろしました。
「まア、そんなところへ――中に少しは綺麗なのもございます。――銭形の親分さんでしょうね八五郎親分、引合せて下さいな」
女房は座布団を二枚、乳の上に抱くようにして、ひどく色っぽいシナを作りました。
「銭形の親分だよ、お前が口癖に噂している」