Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
お静の客
「なるほどね、手間にしたって安くはねエ」
「ここから船で運べば、夜明け前に綾瀬でも、堅川でもおれの家の前の神田川へでも持って行けるよ」
「ヘエ、驚きましたね、親分」
「あんまり驚かれると、極りが悪いよ。金の持出された筋道がわかったところで、何処へ持って行ったかもわからず、だれが盗み出したかもわかったわけじゃない」
「――」
「兎も角、これだけを土産に、ひとまず引揚げようか。その先は昼寝でもしながら考えるのだ」
平次は諦めた姿でした。無理をしたところで、これ以上は容易にわかりそうもありません。
お静の客
「親分、不思議じゃありませんか。親分の留守に家などをあける姐さんじゃないが」
路地を入ると、まだ陽の高いのに、平次の家の雨戸は皆んな締って、たたいても、声を掛けても、応える者はなかったのです。
「お袋のところへでも油を売りに行ったんだろう。お勝手口に隠し鍵があるんだ、心配するなよ」
平次は裏へまわると、格子から手を入れて何んの造作もなくお勝手口の戸の掛金を外し、八五郎に手伝わせて、雨戸などを開けました。
「ちょいと佐久間町のお母さんのところへ行って来ましょうか」
「宜いってことよ――用事が済めば帰るだろう。