Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
それに五郎八も女房もいやに落ちつき払っているじゃないか」
「そういえばそれに違いありませんが、あの野郎の外に、引窓から人間を一人ブラさげて抜け出せる奴はありませんよ」
八五郎はまだあきらめきれない様子です。
「隣りは湯屋だ、五郎八が本当に湯へ入ったか、きいてくれ」
「ヘエ」
八五郎は湯屋ののれんをまげの刷毛先でかきわけて入りましたが、間もなくぼんやりした顔で出てきました。
「どうだ八?」
「さっきちょいと来たそうですよ」
「ちょいと――というと」
「ほんの煙草二、三服ほどで、手拭をしめして帰ったそうです。もっとも湯の早い男で、何時でも烏の行水みたいだっていっていましたよ――」
「今度は両国の小屋だ」
二人は足を急がせました。東両国の明石一座の軽業小屋に着いたのは、もう戌刻(八時)過ぎだったでしょうか。
小屋の番人をしている、木戸番の半次をたたき起して、中に入るまでにはよい加減手間を取りました。
「木戸は酉刻(六時)に閉めるのが天下の定法だ。見物なら明日来てくれ」
平次と八五郎に、割れるほど裏木戸をたたかれると寝酒の入ったらしいろれつで、こんなことをいう半次です。
「お上の御用だ、開けろ」