Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
「御用ッ、神妙にせい」
相手がひるむと、平次は完全に立ち直りました。匕首を叩き落して、十手でアゴをこじ上げて、足を絡んで浴びせかけると、先手々々と打たれた大男は、最初の勢いにも似気なく、朽木をたおすようにのけぞりましたが、敷居でしたたか頭を打ったらしく、暫らくは起き上がれません。
平次の捕縄はキリキリとそれを縛り上げたことはいうまでもありません。
その間に八五郎は、女をしかと押え込みました。骨細で柔かで、八五郎の腕の中に、雪女郎のように消えそうなのを、享楽するような心持で、片手業で懐ろの捕縄を探ります。
「動くな、女」
そう言った時は、八五郎の両手は完全に女の身体を離れて、ただ両ひざだけで、俯向きになった女の華奢な細腰を押えていたのです。
次の瞬間、事情はすっかり変ってしまいました。今まで馴れた牝猫のように、じっと無抵抗にしゃがんでいた女は、八五郎の双手が自分の身体から離れると、猛然として雌豹のように振い起ったのです。
「あッ、畜生ッ」
八五郎の手が追っかけた時は、女の身体は見事に飛躍して、八五郎の肩をけって、八五郎が開け放したままにしてあるお勝手の外へ、真に脱兎の如く飛び出してしまったのです。