Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
首領は誰
その間に女は二階へ飛び上がった様子、平次はそれに続いたことは言うまでもありません。二階は下より更に暗く、暫らくは物の見当もつきません。
が、必死の危険は刻々迫っておりました。二階へ飛び上がった女はその一と間に閉じ籠められているお静を引出して、手際よく外に移すか、でなければ一気に命を断って、平次に一と泡吹かせようとしているのです。
首領は誰
一瞬、二瞬、死の沈黙が続きました。暫らくは雷鳴も遠退いて、雨足もやや衰えた様子です。
が平次は異常な緊張感に、自分の心臓の高鳴るのを何うすることも出来ませんでした。それは本能の警告ともいうべきでしょうか、耳の側にお静のささやきを聴いたり、ツイ鼻先に、艶かしい脂粉の匂いを感じたりするのです。
それは何んとなく『容易ならぬ』緊迫でした。幾度生死の境に飛び込んでも、かつてこれほどの不気味なものを感じたことのない平次ですが、或は目前数尺のところに、女房のお静の生命が既に断たれようとしていたために、平次の本能を苛立せ、全官能を動員したのかも知れません。
それは兎も角、緊迫しきった事態は、心の臓の鼓動を歯車にして、一瞬一瞬を百年の如く刻んで行きます。